推古天皇
かりそめの静寂の代償は、次代を焼く炎。「私情なき天秤」の残酷な末路
624年、最大の権力者であり血の繋がった叔父である蘇我馬子から、葛城県の割譲を要求されます。血縁がすべてを支配する飛鳥の世において、彼女だけが身内を「公」の天秤で裁きました。
「私情で譲れば、後世の人々は私を愚かな女帝とそしり、あなたを不忠の臣と呼ぶだろう」。
毅然とした言葉が、要求を跳ね除けます。
飛鳥時代の黎明期、天皇暗殺という未曾有の危機の後に即位し、中央集権国家の礎を築いた日本初の女性天皇。血なまぐさい政争が続く大和の地で、彼女は強大な権力者たちに囲まれながらも、決して彼らの操り人形にはならず、私情を挟まない冷徹な支配者として君臨しました。激動の時代の中央に座り続けた彼女の内側では、一体どのような思考が渦巻いていたのでしょうか。
— noteの記事の導入部分より