継体天皇
玉座を遠く離れ、泥の中で王冠を磨く。「絶対的な孤独と迂回」の美学
6世紀初頭、列島が内乱と分断の危機に喘いでいた時代。
外部から突如として大和の王権を掌握し、現在の皇室へと連なる新たな王朝の基盤を築き上げた王がいました。継体天皇です。
彼が歴史の表舞台に現れたとき、周囲の目に映ったその姿はあまりにも異質なものでした。
前王朝の血脈が途絶えたという未曾有の危機において、中央の有力者たちから最高権力の座を差し出されながら、彼だけが大和の中心地へ入ることを頑なに拒絶したのです。王権の象徴である鏡と剣を手にするまで即位の承諾を先延ばしにし、ようやく王冠を被った後も、淀川水系の周縁から一歩も動こうとしませんでした。
王という絶対的な名を背負いながら、なぜ彼は中心から遠く離れた地で、20年もの歳月を彷徨い続けなければならなかったのでしょうか。
— noteの記事の導入部分より