天武天皇
二度と運命を握らせない。完璧なルールで自らを閉じ込めた孤城の主
兄である天皇が病に伏せ、その枕元に呼ばれたとき。
彼は差し出された後継者の座という誘いの奥に潜む、張り詰めた殺気を瞬時に嗅ぎ取りました。誰もが権力を欲して争う中、彼だけが生き延びるために迷わずすべてを捨てて逃げ出します。その場ですぐに出家を宣言し、仏門に入って祈ると言い残し、命からがら雪深い山中へと姿を消しました。
飛鳥時代後期。古代日本最大の内乱を制し、新しい国家の強固な土台を築き上げた第40代天皇、天武天皇(大海人皇子)。
権力から逃げて生き延びたはずの男は、やがて武力で玉座を奪い取ると、誰よりも強烈な権威と細かなルールで国全体を縛り上げていきます。
生き残るためならばためらいなくすべてを手放した彼が、勝利した後にそこまで徹底して他者の自由を奪い、自らを絶対的な存在へと仕立て上げなければならなかったのは、一体なぜだったのでしょうか。
— noteの記事の導入部分より