蘇我蝦夷
全てを支配した男が、死の淵で炎から救い出した「国家の記憶」
七世紀の飛鳥。一族が滅びゆく業火の中で、彼は己の命でも財宝でもなく、ただ「国家の記憶」だけを炎から逃がしました。
蘇我蝦夷。三代の天皇の背後で朝廷を支配したこの最高権力者は、生前、天皇の権威すら飲み込むほどの巨大な特権を誇示し、国家の秩序を自らの論理で塗り替えた人物です。王家をも凌ぐ権勢を振るい、すべてを思うがままに支配した強権者が、なぜ最期の最期に自らの栄華ではなく、過去の記録を守ろうとしたのでしょうか。
炎に包まれる自邸の中で、この人物の内側に何が起きていたのか、その深淵を覗いてみましょう。
— noteの記事の導入部分より