中国・戦国
蘇秦
世界を欺き、ただ一人に殉じた影
紀元前3世紀、戦乱の中国。
夜更けの静寂を裂いて、冷たい錐(きり)が自らの太ももに突き立てられます。流れる血の痛みに耐え、激しい眠気を払いのけながら、兵法書を読み漁る男がいたと語り継がれています。
言葉ひとつで六国を束ねたとも噂される遊説の士、蘇秦です。
後世において六国の宰相となる栄光を極めたと伝説化されながらも、彼の内側には、誰にも消せない一途な炎が燃え続けていました。
それは、自らをただ一人認めてくれた燕の君主への、揺るぎない忠誠です。歴史の表舞台で華やかな成功を収めながら、なぜ彼はあえて自らを追い詰めるほどの道を選んだのでしょうか。
— noteの記事の導入部分より