レオニダス1世
三百の命で絶望を退けた男の、あまりに純粋で美しい決断
紀元前5世紀の古代ギリシア。スパルタという強固な掟に縛られた都市国家において、ペルシア帝国の巨大な侵攻に対し、テルモピュライの隘路(あいろ)でわずかな手勢とともに玉砕した王がいます。レオニダス1世。
絶対に勝てない圧倒的多数の敵を前にしても、一歩も退くことなく自らの命を投げ出したその姿は、同時代の誰の目にも特異な狂気として映ったはずです。数十万の大軍が地平を埋め尽くす絶望の時代に、彼だけがたった三百の親衛隊とともに立ち塞がり、降伏の使者を笑い飛ばして死の防波堤となりました。
「武器を差し出せば助ける」。大王クセルクセスからの冷酷な勧告に対し、彼は「来たりて、取れ(モーロン・ラベ)」と短く一蹴します。
圧倒的な暴力の前に身をさらしながら、なぜ彼は退路を断ち切ることができたのでしょうか。その分厚い胸の奥底で、一体どのような血のたぎりが渦巻いていたのでしょうか。
— noteの記事の導入部分より