ペリクレス
「正しい決断」が人を置き去りにする時。完璧な防衛線は、心の中から崩れ落ちる
紀元前5世紀、古代ギリシャの都市国家アテナイに黄金時代をもたらした政治家、ペリクレス。 彼がプニュクスの丘の演壇に立つとき、波立つ民会は水を打ったように静まり返り、やがて一つにまとまったうねりとなって都市を前進させました。 パルテノン神殿の建立を推し進め、民主政を完成へと導きながらも、国家の最高指導者として成熟して以降の彼は、群衆の熱に阿ることはありませんでした。
ペロポネソス戦争の開戦にあたっては、無謀な野戦を求める人々の声を退け、城壁内に全市民を収容する籠城という冷静な決断を下しました。 しかし、その完璧な論理に支えられた戦略は、異常な過密状態という盲点を生み、想定外の「疫病」という自然の脅威によって無惨に崩れ去りました。 城壁内に蔓延した病魔は人口の約3分の1の命を奪います。
大衆との断絶という恐ろしいリスクを背負い、完璧な計算が孕む残酷な皮肉に呑み込まれながらも、自らの信じる真理を孤独に貫き通した男の軌跡をたどります。
— noteの記事の導入部分より