スパルタクス
自由への渇望と、背負った六千の十字架
紀元前1世紀、強大なローマ帝国の心臓部で、見世物として殺し合いを強いられていた剣闘士たち。彼らが鎖を断ち切り、反旗を翻した第三次奴隷戦争。その渦の中心に立ち、烏合の衆を率いてローマの正規軍を幾度も打ち破った男が、トラキア出身のスパルタクスです。
彼は単なる復讐に燃える暴徒ではありませんでした。勝利に酔い、道中での略奪に溺れていく配下たちをよそに、彼の視線はただ「アルプスを越え、各自の故郷へ帰る」という一点のみに向けられていました。しかし、膨れ上がる反乱軍はいつしか彼の統制を離れ、目先の富を求めてイタリア半島を南下していくことになります。
なぜ彼は、自らの願いとは異なる破滅の道程において、最後まで逃げ出すことなく彼らの先頭に立ち続けたのでしょうか。
— noteの記事の導入部分より