西郷隆盛
天を敬い、人を愛した巨星を、自ら切り開いた時代が引き裂いた

幕末から明治初期にかけて、新しい国家の樹立という途方もない偉業を成し遂げた男がいます。西郷隆盛。
薩摩藩の下級武士から身を起こし、薩長同盟や王政復古、そして江戸城の無血開城を実現させた「維新の三傑」の一人。
しかし、彼の生涯は華々しい成功の記録ではありません。亡き主君への思いと、幕府に追われる同志を見捨てられない絶望を胸に、暗い海へ身を投げ、南の島への潜居と、のちの過酷な流罪という二度の遠島に耐え抜く日々。維新後には、自ら推し進めた近代化の果てに新政府と袂を分かちます。時代に取り残された者たちの不満を一身に引き受け、最後は逆賊として城山に散りました。
「晋どん、もうここらでよか」。
銃弾に倒れ、静かに首を差し出したその最期の言葉。激動の時代を駆け抜けた男の、測り知れない優しさと深い疲労が滲んでいます。
圧倒的な力で歴史を動かした巨星の胸の奥底で、一体どのような葛藤が渦巻いていたのでしょうか。
— noteの記事の導入部分より