呂不韋
国を「投資対象」として買い上げた、不世出の審美眼
一介の商人から一国の宰相へ。
呂不韋の生涯は、「投資」という概念を政治と歴史の舞台に持ち込んだ、壮大な実験の記録といえます。
趙の国で人質となり、誰からも顧みられなかった秦の公子・異人(のちの荘襄王)を一目見るなり、彼は「これこそ奇貨なり、居くべし(これは珍しい価値のある品だ、手元に置いておくべきだ)」と喝破しました。自らの全財産を投げ打ち、人脈と知略を駆使して、見捨てられた公子を秦の王位へと押し上げたその手腕。彼は単に金を稼ぐ商人ではなく、歴史そのものを「買い上げる」という前代未聞の物語を紡いだのです。
— noteの記事の導入部分より