白起
情念を排し、冷徹なる殲滅の数式を解く者
中国・戦国時代、秦を最強の帝国へと押し上げた「武安君」こと白起。生涯にわたって七十余の城を落とし、ただの一度も敗北を知らなかった不敗の将軍です。
しかし、彼に付されたもう一つの異名、それは「人屠(人斬り)」。長平の戦いにおいて、降伏した趙の兵四十万を生き埋めにしたという惨劇は、彼の名を冷酷無比な破壊者として歴史に深く刻み込みました。
彼にとって戦場とは、武勇を競う舞台でも、名誉を飾る式典でもありませんでした。ただ敵の軍事力をいかに効率よく、かつ致命的に排除するかという、冷徹な計算式を解く巨大な盤面。彼が振るう刃は、一切の情緒を削ぎ落とし、ただ勝利という唯一の解へ向かって、恐ろしいほどの精度を発揮していたのです。
— noteの記事の導入部分より