スキピオ・アフリカヌス
宿敵から「学び」、世界を塗り替えた開明の将
後年、エフェソスの地で再会した宿敵ハンニバルは、彼にこう語りました。「史上最高の将軍は第一にアレクサンドロス、第二にピュロス、そして第三が私だ。もしザマであなたに勝っていれば、私が第一位だっただろう」と。
その言葉を静かに受け止めたパブリウス・コルネリウス・スキピオ。彼は、カンナエの戦いでローマ軍が壊滅し、誰もが先行きのない絶望に沈んでいた時代に、ただ一人見据えるべき方向を見失わなかった男です。 若くして父と叔父を失いながらも、彼は復讐心に囚われることなく、祖国を蹂躙したカルタゴの戦術を純粋な眼差しで学び取りました。さらに、捕虜となった美しい娘に危害を加えず婚約者の元へ帰すなど、徹底した寛大さと若きカリスマ性で異民族の心さえも惹きつけていったのです。重苦しい恐怖を打ち払い、地中海という広大な舞台に新たな時代の幕開けをもたらした、ある英雄の物語です。
— noteの記事の導入部分より