魏の文侯
己を「空」にして、異能を活かす。頭を下げる君主だけが手した「真の統率力」
賢人と名高い段干木(だんかんぼく)の家の前を馬車で通り過ぎる際、魏の文侯は車の上で立ち上がり、深々と敬意を表しました。御者が「なぜ地位もない者にそこまでするのですか」と問うと、彼は「彼は徳によって己を尊び、私は地位によって己を尊んでいるに過ぎない」と答えます。
魏国の君主、文侯(姫斯)です。
時は戦国時代の幕開け。力と血筋がすべてを支配する下剋上の嵐の中で、新興国・魏を率いた彼は、武力ではなく知性と才能に対する圧倒的な敬意を行動で示しました。 呉起のような悪評のある天才や、耳の痛い直言をする臣下たちを次々と集め、戦国最初の覇権国を創り上げたこの絶対権力者の内側で、一体何が起きていたのでしょうか。
— noteの記事の導入部分より