中国・戦国
屈原
濁った世界で一人、目醒めている絶望。天才詩人が命と引き換えに遺した、孤高の美学
紀元前四世紀から三世紀の中国。
戦乱が全土を覆い尽くした楚国において、強国への対抗策を最前線で推進した政治家であり、後に祖国の危機に殉じた不世出の詩人、屈原。
生き残るためには他国へ寝返り、あるいは権力者に媚びて栄達する。それが当然の時代に、彼一人が狂気のような潔癖さで濁った世界を拒絶しました。
追放され、痩せこけた姿で水辺を彷徨う彼に、一人の漁父が問いかけます。濁った世の中の人たちと同調しないのですか、と。彼は答えます。
「どうして潔白な身に、世俗の塵をこうむることができようか。」と。
策謀と裏切りが渦巻く時代において、なぜ彼だけが、破滅を前にしてもなお自分を曲げることができなかったのでしょうか。
— noteの記事の導入部分より