管仲
大恩人を切り捨てる冷徹な計算。合理主義者が辿り着いた、究極の友情
かつて敵対する陣営に属し、自らの命を狙って矢を放った男を宰相に登用する王も異常です。しかし、昨日まで暗殺しようとしていた相手に平然と仕え、国家の全権を握って即座に改革を始める男の切り替えの速さもまた、常軌を逸していました。
春秋時代の斉において、徹底した経済優先政策と尊王攘夷の旗印で国を覇権国へと導いた大宰相、管仲。 道徳や精神論を排した極限の合理主義者として知られる彼は、その冷たい仮面の下に、不遇の時代から自分を庇い続けてくれた親友・鮑叔への深く熱い情愛という、矛盾するような熱量を抱き続けていました。
情と理が激しく交差する彼の内側では、一体どのような計算がなされていたのでしょうか。
— noteの記事の導入部分より