アウグストゥス
虚弱な青年は、いかにして「永遠の都」を設計したか
歴史の表舞台に突如として現れた若きオクタウィアヌス——後の帝政ローマの初代皇帝アウグストゥスは、偉大な大伯父ユリウス・カエサルのような、雷鳴のごとき華々しさを持ち合わせていたわけではありませんでした。彼は虚弱であり、戦場での武勲にも乏しく、一見すると血塗られた帝国の主には不釣り合いなほど、静寂を纏った青年でした。
しかし、カエサルが鮮やかな閃光で古い時代を断ち切ったのだとすれば、アウグストゥスはその後の混迷の果てに、数百年続く平和の礎を緻密に組み上げました。
「私は煉瓦の街としてローマを受け取り、大理石の街としてこれを残した」という彼の言葉は、単なる建築の回顧録ではないのでしょう。それは、己の内なる源泉から湧き出る思考と行動を、完璧な均衡のもとで世界に行き渡らせた、一人の統治者としての静かな自負だったのかもしれません。
— noteの記事の導入部分より